6月のカレンダーを見ていると、「嘉祥の日（かじょうのひ）」という聞きなれない記念日があることに気づく方もいるかもしれません。実はこの日、日本古来の健康祈願と深く関わる美しい風習が根づいているのです。その主役は、なんと「和菓子」！
この記事では、嘉祥の日の意味や由来、そして現代でも楽しめる過ごし方について、わかりやすく解説します。和菓子が好きな方、季節の行事を楽しみたい方にぴったりの内容です。
嘉祥の日っていつ？何をする日？
嘉祥の日は毎年6月16日。この日は、健康と厄除けを願って和菓子を食べる日とされています。現在ではあまり知られていない行事ですが、実はその歴史はなんと1000年以上も前、平安時代にまでさかのぼります。
和菓子屋さんでは6月16日に合わせて「嘉祥菓子（かじょうがし）」を販売したり、イベントを開催したりするところもあります。
嘉祥の日の由来とは？
嘉祥の日の起源には諸説ありますが、最も有名なのは平安時代の仁明天皇（にんみょうてんのう）にまつわるエピソードです。
仁明天皇と嘉祥元年
嘉祥元年（西暦848年）、疫病や災いが広まっていたことを受け、仁明天皇が厄除けと健康を祈願して16個の菓子を神前に供えたといわれています。この儀式は「嘉祥の儀」と呼ばれ、これをきっかけに、6月16日に菓子を食べる習わしが始まりました。
「嘉祥」という名前の意味
「嘉祥（かじょう）」とは「めでたいしるし」「よい兆し」という意味を持つ言葉で、年号としても使われていました。まさに、縁起を担いだ行事名にふさわしい響きです。
江戸時代にも続いた嘉祥の習慣
時代が進み、嘉祥の儀式は室町時代や江戸時代にも受け継がれました。特に江戸時代の幕府では、6月16日に将軍が家臣に16個の菓子を配る「嘉祥の儀式」が行われていたことが記録に残っています。
この慣習は民間にも広まり、「嘉祥の和菓子を食べると1年間健康で過ごせる」と信じられるようになったのです。
嘉祥の日に食べる和菓子とは？
嘉祥の日に食べる和菓子に明確な決まりはありませんが、以下のような「縁起の良いもの」「季節感があるもの」がよく選ばれています。
嘉祥菓子の一例
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饅頭（まんじゅう）
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ようかん
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おはぎ
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金平糖（こんぺいとう）
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落雁（らくがん）
特に16個の和菓子を食べると厄除けになるという言い伝えもあるため、小さなお菓子を組み合わせて「16種セット」を販売するお店もあります。
季節の和菓子を楽しもう
6月は梅雨時期でもあるため、爽やかな柚子風味のゼリーや、水まんじゅうなどもおすすめ。見た目に涼しさを感じられる和菓子は、心まで癒してくれます。
嘉祥の日の現代的な楽しみ方
今の時代でも嘉祥の日は、家族で楽しみながら健康を願う素敵なイベントにできます。
和菓子を買って家族でいただく
近くの和菓子屋さんで季節のお菓子を選び、家族で「今日は嘉祥の日だから、健康を願って食べようね」と話しながらいただく時間は、何よりのごちそうです。
子どもと一緒に和菓子作りにチャレンジ
自宅で作れる簡単な和菓子（白玉団子やあんこ玉など）を、子どもと一緒に手作りしてみるのもおすすめです。嘉祥の日の意味も伝えられ、食育にもつながります。
SNSで「#嘉祥の日」を発信
最近ではInstagramやX（旧Twitter）でも「#嘉祥の日」「#和菓子の日」などのハッシュタグを使って、和菓子を楽しむ様子を投稿する人が増えています。お気に入りの和菓子を紹介したり、お店の魅力を発信したりすることで、日本の伝統文化を広めるきっかけにもなります。
嘉祥の日は和菓子を通して心も整える日
和菓子は、ただ甘いだけでなく、季節感・美しさ・祈りが詰まった日本文化の結晶です。嘉祥の日は、そんな和菓子の魅力を再認識し、自分や家族の健康と幸せを願う貴重な機会です。
年中行事の中でも、準備が簡単で気軽に参加できるのが嘉祥の魅力。6月16日には、ぜひ和菓子を手に取り、ほっとひと息ついてみてください。
まとめ：嘉祥の日で季節を感じ、心と体を整えよう
嘉祥の日は、日本の季節行事のひとつとして、もっと注目されても良い文化です。和菓子を通じて健康を願い、家族との会話が生まれるきっかけにもなります。
6月の梅雨の時期、少し気分が落ち込みがちな日々に、和菓子の甘さと行事の由来が、明るい時間を運んでくれることでしょう。次の6月16日には、ぜひ嘉祥の日を思い出してみてください。
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