近年、ニュースで「麻疹(はしか)」の流行が取り上げられることが増えてきました。特に2025年は日本国内外で感染報告が相次いでおり、ワクチン接種率や感染拡大が再び注目されています。
この記事では、麻疹の基本知識から最近の流行地域、予防接種(ワクチン)の最新情報、そして注意すべき症状まで、わかりやすく解説します。
麻疹とは?基本情報と感染経路
麻疹ってどんな病気?
麻疹は「はしか」とも呼ばれるウイルス性感染症。非常に感染力が強く、一度感染すると高熱や発疹、咳、目の充血など重い症状が出ます。
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潜伏期間:約10日〜12日
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感染力:空気感染、飛沫感染、接触感染など多様
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主な症状:発熱、咳、鼻水、結膜炎、発疹
麻疹の感染経路とその特徴
麻疹ウイルスは空気中に漂い、数時間は生き続けます。そのため、同じ空間にいるだけでも感染する可能性があり、電車・学校・病院などで集団感染が発生することもあります。
2025年の麻疹流行地域と最新の感染状況
日本国内の感染状況
2025年に入り、以下の地域で麻疹感染者が報告されています。
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東京都:都内各地で複数の感染例
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大阪府:一部学校で集団感染
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福岡県:空港を起点とした感染拡大が確認
特に都市部や観光地で感染リスクが高まっています。
海外の麻疹流行地域にも注意
海外では、アジア圏(フィリピン、インドネシア)、ヨーロッパの一部地域、アフリカ諸国で麻疹が流行しています。2025年は渡航者から日本国内への持ち込み事例も増加。
渡航予定の方は、渡航前に必ず**「海外流行地域の感染情報」**を厚生労働省や外務省のサイトでチェックしましょう。
麻疹ワクチンの予防効果と接種スケジュール
麻疹の予防には「ワクチン接種」が最も有効
現在、日本で主に使用されているのは「MRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)」です。2回の接種で約95〜99%の予防効果があるとされています。
標準的な接種スケジュール
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第1期:生後12〜24か月
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第2期:小学校入学前(5〜6歳)
大人は要注意!予防接種の見直しを
1977年以前に生まれた人は、麻疹ワクチン未接種の可能性が高いです。また、過去に1回しか接種していない人も少なくありません。
大人の接種が推奨されるケース
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妊娠予定の女性(妊娠前に接種が必要)
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海外渡航予定者
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医療従事者や教育関係者
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過去に麻疹にかかった記憶がない人
「自分は何回接種済みか分からない」という方は、母子手帳や過去の接種記録を確認するのがおすすめです。
麻疹の初期症状と注意すべきポイント
麻疹の初期症状
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高熱(38℃以上が数日続く)
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激しい咳、鼻水、目の充血
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口の中に白い斑点(コプリック斑)ができる
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数日後、全身に赤い発疹が広がる
発熱から発疹までの流れ
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潜伏期間(感染後10日ほど):自覚症状なし
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発熱・風邪症状:感染力が最も強い時期
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発疹:顔から始まり、全身へ広がる
重症化リスクがある人
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乳幼児
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妊婦
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高齢者
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免疫力が低下している人(糖尿病、がん治療中など)
重症化すると肺炎や脳炎を引き起こすこともあり、最悪の場合は命に関わることもあります。
麻疹にかからないために|家庭でできる予防策
ワクチン接種以外でできること
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手洗い・うがいの徹底
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人混みを避ける
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海外帰国後の体調管理
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感染者が出た地域への不要不急の外出を控える
ただし、麻疹ウイルスは「空気感染」が主なため、一般的なマスクやアルコール消毒だけでは完全に防げません。
万が一感染した場合の対応
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発熱や発疹が出た場合は、必ず事前に医療機関へ電話連絡をしてから受診
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症状が軽くても自己判断せず、早めに受診
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家族内感染を防ぐため、自宅内でも隔離スペースを設ける
麻疹予防の意識を高めて、安全な毎日を
麻疹は、一度流行が始まると短期間で広範囲に感染が広がる「強い感染力」を持つ病気です。しかし、正しい知識と予防行動でリスクを最小限に抑えることが可能です。
2025年現在、感染者数が増加傾向にある地域も多いため、「自分と家族は大丈夫?」と改めてワクチン接種歴や体調管理を見直してみましょう。
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