「お弁当がくさくなった!」「パンに白いふわふわが…」
だれでも一度は「食べ物が腐った!」という経験があるのではないでしょうか。
でも、そもそも食べ物ってどうして腐るの?
カビや菌って何?それって悪いものなの?
今回は、そんな疑問にやさしく答えながら、食べ物の腐敗のひみつを見ていきましょう!
腐るってどういうこと?
食べ物が変化することを「腐敗(ふはい)」って言うんだ
食べ物が腐るというのは、見た目やにおい、味が変わって食べられなくなってしまうことをいいます。
この変化のことを「腐敗」といって、微生物(びせいぶつ)という小さな生き物のしわざなんです。
腐ると…
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においがくさくなる
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色が変わる(白・黒・緑など)
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ぬるぬるしたり、カビが生えたりする
これらはすべて、食べ物の中で菌やカビが増えているサインなんですよ。
カビや菌ってなに?
目に見えないけど、そこにいる!
カビや菌(細菌・バクテリア)は、とっても小さくて目に見えません。
でも、空気・手・テーブル・食べ物など、どこにでもいます。
この中でも、食べ物を腐らせてしまう菌を「腐敗菌(ふはいきん)」といいます。
カビも菌の仲間で、もこもこした見た目になって現れるものです。
カビと菌のちがいは?
種類 | 見た目 | どんなふうに広がる? |
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菌(きん) | 見えない | 食べ物の中で増える |
カビ | もこもこ | 空気中に胞子(ほうし)をまいて広がる |
つまり、カビは目に見える菌の一種なんですね。
食べ物はどうして腐るの?
微生物が食べ物を“食べて”増えていく!
カビや菌は、食べ物にくっついて栄養をもらって生きています。
人間がごはんを食べるように、菌たちも食べ物を分解してエネルギーにします。
でも、そのときに出るにおいやガス、ぬるぬるした物質が、腐った食べ物の正体。
つまり、「菌の食べカス」が腐敗のもとなんです!
特に夏場は、気温が高く、湿度も高いので、菌が元気になって一気に増えてしまいます。
腐る食べ物と、腐りにくい食べ物のちがいは?
水分が多いものは腐りやすい!
菌が育つためには、3つの条件が必要です:
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水分
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栄養(たんぱく質・糖分など)
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温度(20〜40℃が大好き)
だから、
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ごはんやパン
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お肉や魚
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お弁当のおかず
などは、菌の大好物!すぐに腐ってしまいます。
逆に、
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せんべい
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乾物(干ししいたけ・のり)
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塩が多い食べ物(梅干し・味噌)
などは、水分が少なく、菌が増えにくいため腐りにくいのです。
腐るのと発酵ってどうちがうの?
実は、カビや菌は“いいこと”もする!
「菌=悪いもの」と思いがちですが、実は人間の生活に役立っている菌もたくさんいます。
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ヨーグルトを作る乳酸菌
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味噌やしょうゆを作るこうじ菌
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チーズや納豆を作る発酵菌
これらは、食べ物を腐らせるのではなく、うま味や香り、栄養を増やす良い変化(=発酵)を起こしてくれる菌たちです。
腐敗:食べられなくなる変化(悪い菌)
発酵:おいしくなる変化(よい菌)
おなじ「菌」でも、働き方によって“敵”にも“味方”にもなるんですね!
食べ物が腐るのをふせぐには?
では、どうすれば腐るのを防げるのでしょうか?
家でもできる保存の工夫をいくつか紹介します。
冷蔵・冷凍する
菌は温かい場所が大好き。
冷蔵庫で10℃以下、冷凍で−18℃以下にすれば、菌の活動を止めることができます。
手を洗ってから調理・保存
手にもたくさんの菌がついています。
料理をする前、食べる前は石けんでしっかり手を洗いましょう。
密閉(みっぺい)する
菌は空気中にもたくさんいます。
ラップで包む、ふた付き容器に入れるなど、空気にふれさせない保存が有効です。
まとめ|カビや菌のひみつを知れば、食べ物をもっと大切にできる!
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食べ物が腐るのは、目に見えないカビや菌のしわざ
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菌は食べ物の中の栄養を食べて増え、においやぬるぬるを出す
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水分・栄養・温度がそろうと腐りやすくなる
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でも、菌には“発酵”という良い働きをする仲間もいる
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冷やす・密閉する・手を洗うことで腐敗は防げる
食べ物のひみつを知ると、毎日のごはんやお弁当ももっと大切に思えてきます。
そして、カビや菌も「悪者」ではなく、地球にとって大切な存在だということが分かってきますね。
今日からは、食べ物の変化にも興味をもって、楽しく観察してみましょう!
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