名ばかり管理職はもう限界…それでも裁量労働制を広げる日本の働き方に感じる違和感

裁量労働制,名ばかり管理職 生活の疑問

「パパ、今日も帰り遅いの?」小学生の子どもにそう言われるたび、少し胸が痛くなる父親は少なくないと思います。働き方改革という言葉が広がって久しいですが、現場では今も長時間労働に苦しむ人がたくさんいます。

しかも最近では、「裁量労働制を導入しやすくする方向で議論が進んでいる」というニュースも話題になっています。

一方で、日本ではすでに、過労死ラインとされる月80〜100時間超の残業、管理職だと残業代が出ない“名ばかり管理職”、終わらないサービス残業、人手不足による業務集中など、多くの問題が指摘されています。

それなのに、なぜさらに“労働時間を見えにくくする制度”を広げようとするのでしょうか。

この記事では、小学生の子どもをもつ父親目線で、裁量労働制とは何か、日本の長時間労働の現状、名ばかり管理職問題、そして働き方改革への違和感について、やさしく解説します。

裁量労働制とはどんな制度?

まず、「裁量労働制って何?」という人も多いと思います。

実際の労働時間ではなく“みなし時間”で働く制度

裁量労働制とは、実際に何時間働いたかではなく、「この仕事なら○時間働いたとみなす」という考え方の制度です。たとえば、「実際は12時間働いても、8時間働いたことにする」というような形になる場合があります。

本来は、研究職、専門職、企画業務など、“働く時間ではなく成果が重要”とされる仕事向けに作られた制度です。

本来は自由な働き方のための制度

制度の建前としては、「自分で働く時間を決められる」「効率よく働ける」「成果重視になる」といったメリットがあります。理想だけ見ると、「柔軟で先進的な働き方」に見えるかもしれません。

でも現場では“自由”にならないことも多い

実際には、「仕事量は減らない」「納期は厳しい」「会議は増える」「人は足りない」という状況の中で導入されるケースもあります。そのため、“裁量”というより、「残業代が見えにくくなる制度では?」と感じる人が多いのです。

なぜ“名ばかり管理職”が問題になるの?

裁量労働制の話になると、よく一緒に出てくるのが「名ばかり管理職」です。

管理職なのに権限が少ない

本来、管理職は、人事権や経営判断、労務管理など、大きな裁量を持つ立場です。しかし現実には、「肩書きだけ管理職」「残業代なし」「現場仕事も大量」「責任だけ重い」というケースが少なくありません。

プレイングマネージャー化が進んでいる

最近は人手不足もあり、部下管理、クレーム対応、営業、現場作業、書類仕事を全部やる“プレイングマネージャー”が増えています。

父親世代だと、「朝から晩まで働いてるのに、管理職だから残業代なし」という人も珍しくありません。

「責任だけ増える」が現場の本音

現場では、「給料は少し増えたけど割に合わない」「責任だけ重い」「休日も連絡が来る」という声もよく聞きます。それでも、人手不足の職場では断れない空気があります。

日本はなぜ長時間労働が減らないの?

働き方改革と言われながら、日本では長時間労働問題がなかなか解決しません。

人手不足が深刻

多くの業界で人手不足が進んでいます。特に、建設業、介護、運送業、地方企業、農業関連、サービス業などでは、一人あたりの負担が増えやすくなっています。

「頑張る人」に仕事が集まる

日本の職場では、「責任感が強い人」「断らない人」に仕事が集中しやすい傾向があります。すると、「結局、頑張る人が損をする」という空気が生まれてしまいます。

“空気”で働く文化

日本では、「みんな残っているから帰れない」「上司がいるから帰りづらい」という“空気”も強いです。これは制度だけでは変えにくい、日本独特の働き方文化かもしれません。

なぜさらに裁量労働制を広げようとするの?

ここが、多くの人が疑問に感じる部分です。

企業側は柔軟な働き方を求めている

企業側としては、「成果重視にしたい」「働き方を柔軟にしたい」「専門職を増やしたい」という考えがあります。特にITや企画系では、「時間管理より成果」という考え方もあります。

でも現場は“人が足りない”

問題は、理想と現実が違うことです。十分な人員や適正な業務量があるなら、裁量労働制が機能する職場もあるでしょう。しかし現実には、慢性的な人手不足、終わらない業務、過剰な責任を抱える現場も多いです。

「制度」より「人員」が先では?

父親として感じるのは、「制度を増やす前に、人を増やす方が先では?」ということです。どんな制度でも、現場が疲弊していたら、結局は“長く働く人”に負担が集まりやすくなります。

子育て世代が感じる一番の問題

小学生の子どもをもつ父親として、一番つらいのは「時間」です。

家族との時間が減る

長時間労働が続くと、夕飯を一緒に食べられない、宿題を見られない、休日は疲れて寝てしまう、ということも増えます。

子どもの成長は本当に早いです。「あとで時間を作ろう」と思っても、その“今”は戻ってきません。

父親自身の健康も削られる

長時間労働は、睡眠不足、ストレス、生活習慣病にもつながります。父親が倒れてしまえば、家族全体への影響も大きくなります。

「働くために生きる」状態への違和感

もちろん仕事は大切です。でも、「家族との時間を削りながら働き続ける」「健康を壊しながら働く」状態が当たり前になるのは、やはりどこかおかしいと感じます。

本当に必要なのは“長く働ける制度”ではなく“普通に暮らせる働き方”

裁量労働制そのものが、すべて悪いとは限りません。本当に自由な働き方ができる環境なら、メリットを感じる人もいるでしょう。

しかし、日本では今も、名ばかり管理職、過労死ライン問題、人手不足、長時間労働など、多くの課題が残っています。

だからこそ、「さらに働かせやすくする制度」に見えてしまうことへ、不安や違和感を持つ人が多いのだと思います。

小学生の子どもをもつ父親としては、「もっと働ける社会」より、「普通に家族と暮らせる社会」になってほしいと感じます。

仕事だけではなく、家族との夕飯、子どもの笑顔、休日の時間も大切にできる。そんな働き方が、本当の“働き方改革”なのかもしれません。

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